ごあいさつ

お客様のひとときに、
ここちよい安らぎを差し出す

語らずとも語る料理、というものが確かにあります。
食材、うつわ、瀟酒な設えなど、一つひとつに店主のこだわりや気遣いが店の隅々にまで行き届いていることで、
説明せずとも料理そのものが語りかけてくるのです。
細やかな心づくしを受けられる接遇に私は心を打たれます。祇園にしが目指すのは、そのような「粋」なお店。

一方で、割烹料理の伝統を敬いながら、その中に革新を取り入れるのが祇園にしのスタイルです。
格式張った雰囲気でいつも恬淡と料理を出すのは、私どもらしくありません。
ときにラフに、肩の力が抜ける雰囲気のなか、料理に安らぎをそっと添えて差し出す。
はじめての方もおひとりの方も気兼ねなく楽しめる。
そのようなお店でありたいと考えています。

みなさまのご来店を心よりお待ちしております。

店主 西 隼平

口福を思い出して
もらえるように

お店を構えると、さまざまな職業の方や、幅広い年齢層の方とお話をする機会に恵まれます。
料理のすごいところは、どんな方も笑顔にして差し上げられる可能性を秘めていること。
お会いするのが初めての方にも「ありがとう、美味しかった。またくるわ」と仰っていただける。
そんなとき、私はいつも胸がいっぱいになり、この仕事をしていてよかったと心から思うのです。

一度のお食事でお過ごしになるのはわずか数時間ほど。
でも、口福のひとときを堪能すると、その幸せの瞬間を後になってもまた思い出せるものです。
また来たいと思っていただけるよう、私どもは準備を怠りません。
接待や記念日などお客様にとって大事な時間をお預かりするわけですので、
最高の料理とおもてなしを、心をつくしてお贈りします。

記憶に残る素敵な時間を、祇園にしでぜひお過ごしください。

女将 西 里映